今回は、発光分光分析の中のフレーム分析についてお話していきます
光の状態を測定することで、分析する手法の一つであるので、
定性・定量分析の方法の選択肢の一つとして学んでいただけると思います
フレーム分析は、発光分光分析の一つの方法で、試料を励起させる方法に、フレームを使って、
分析する方法のことを示しています
このフレーム分析は、炎色反応で皆さんに知られている、
定性反応として用いられていました
しかし、光を測定する測定器が開発されたことによって、
定量分析の方法として発達しました
分析する対象は、アルカリやアルカリ土類金属の分析に使われます
他の金属に対しては、感度が低かったり、原子吸光分析や
ICP発光分析装置等の発展によって、あまり使用されていない分析方法になっています
金属塩の溶液を、原子吸光分析のときと同じように、
霧状にして、フレームの中に導入することによって、
原子蒸気と励起状態の原子、イオンが熱状態平衡状態で発生します
原子吸光分析のときは、このフレームの中に測定したい元素にあった、
波長の光を照射して、フレームの中に存在している、基底状態の原子による
光の吸収量を測定する方法です
原子吸光分析に対して、フレーム分析は、フレームの中に生成された
励起原子が基底状態に遷移するときに生じるそれぞれの元素に固有の発光スペクトル
を測定して、スペクトルの波長に対して、強度から定性分析・定量分析をする方法です
フレームの中の励起状態にある目的元素の濃度に比例することを利用した分析方法です
フレーム分析では、原子吸光分析と同じように、
助燃ガスと燃料ガスの分量比を調整したガスを用いて測定します
一般的に、フレーム内での反応も原子吸光分析と同じです
高温フレームを使っていると、原子化と励起状態の原子の発生量が上昇してしまいます
このことによって、発光強度は強くなるのですけど、
イオン化電位が低いアルカリ金属はイオン化が簡単に起きるので、
発光強度は低下します
助燃ガスと燃料ガスの混合割合も大切で、助燃ガスが多いと、
金属酸化物が大量にできることによって、
発光強度の低下原因になります
測定を行うに当たって、注意する点は3つあります
- 試料の調整
- 標準試料の調整
- 検量線作成
1.試料の調整
フレーム分析を行うときは、原子吸光分析分析と同じように、
溶液にして分析します
固体の試料を分析したいときは、原子吸光分析の試料調製のときと同じように、
前処理を施して、溶液にして分析をします
前処理には、塩酸を利用することが多くて、硫酸、リン酸は使用しないほうが良いとされています
ナトリウムや、カリウム等の軽金属を測定したい元素とすることが多いので、
容器や、環境要因の汚染による影響を注意して、
空試験等によって、得られた値を補正することが有用です
2.標準試料の調整
定量・定性分析をする時、原子吸光分析と同じように、検量線を必要とします
この検量線を作成するために測定したい元素の高純度試料を使って、段階的に濃度が違う
複数点の標準溶液を調整します
この時、分析する試料の中に、共存している物質がある時、標準試料にも同じように混合させて、
なるべく分析試料と同じ状態に調整することで、
干渉による影響を相殺することができます
原子吸光分析と同様に、作製した標準試料を使って、検量線を作製することで、
定量分析を行えます
測定するために使用する検量線は、慎重に調整する必要があり、
また、測定点が多いとそれだけ、正確な検量線を引くことができます
今回は、フレーム分析についてお話してきました。
今は、あまり使用されていない分析方法ですが、
原理は、今でも使用されている原子吸光分析分析と親しい方法なので、
知ると、今後の学習の手助けになっていくと考えています
少しでもお役に立てたら嬉しいです
今回もありがとうございました
次回もよろしくお願いいたします