機器分析化学_発光分光分析3

今回は、発光分光分析のICPについてお話していきます

現在、元素分析に広く使用されている分析方法である

ICP分析について理解するための手助けになれたら嬉しいです

前回のお話とも通じるところがありますので、

よかったら、前回の記事も見てみてください

ICP分析とは

ICPとは、inductively coupled plasmaの略となっています

励起させる熱源をプラズマ炎を用いて、

検出されたスペクトルを電気信号に変換し、機械的に強度を処理する装置になっています

このICP発光分光分析装置は、励起源、試料導入部分、発光部分、

分光測光部分とデータを処理する部分、そしてこれらを制御する制御部分でできています

ICPを構成する部分
  1. 励起源
  2. 試料導入部分
  3. 発光部分
  4. 分光測光部分
  5. データ処理部分
  6. 制御部分

順々にお話していきます

1.励起源

励起光を安定的に得るために、励起させるプラズマ炎の安定も必要となります

このプラズマ炎は、誘導コイルへの電流と、励起熱源であるアルゴンガスの安定供給が必要になります

この電気エネルギー及びアルゴンガス流量の供給と、制御を担当する部分の電源回路や、電子制御回路から

なっている部分になります

2.試料導入部分

励起光を発光させるために必要な、試料をプラズマ炎内に導入する部分になります

この中は、試料を噴霧するためのネブライザー、そして、噴霧するエリアであるスプレーチャンバー、

そして、キャリアガスであるアルゴンガスが流出するのを防ぐためのドレイントラップの3つからなります

3.発光部分

発光部分は、試料の中の測定したい元素を励起させて、発光させる部分になります

励起させるためのプラズマ炎であるトーチとプラズマ炎を発生させるための誘導コイルがある部分です

4.分光測光部分

分光測光部分は、発光部分で励起して発光した光を効率よく分光部分に導くための集光系統部分と

複数あるスペクトルを測定したいターゲットスペクトルとその他スペクトルとに分光する部分

そして、分光してターゲットスペクトルだけにした光を検出する部分とで構成されています

検出部分は、入ってきた光を入ってきた光の強さに応じて電気信号に変換する部分であり、

光電子増倍管か半導体検出器が用いられます

真空紫外線領域でのスペクトルを測定するときには、この集光系統と分光する部分は、

真空状態にするか、キャリアガスであるアルゴン雰囲気、窒素ガス雰囲気など

不活性ガスで充填した空間にする必要が有ります

5.データ処理部分

検出部分で得られた電気信号のデータ処理をして、検量線や測定結果等を表示する部分になります

データ処理の精度を上げるために、バックグラウンド補正や、分光干渉影響の補正、

検量線試料の内標準物質による補正等の機能を持っている装置もあります

6.制御部分

元素を測定するために最適な条件で測定するために、ガス流量や、トーチで発生した励起物からの

発光を検出するポイントの調整や、励起するためのプラズマ炎を制御するために、誘導加熱コイルへの

電流量調整等を行っています

その他条件を制御するために、開発された装置についてご紹介します

制御部分の開発された追加装置
  • オートサンプラ
  • 超音波ネブライザー
  • 水素化物発生装置
  • 電気加熱気化導入装置

オートサンプラ

オートサンプラは、多数の測定したい試料がある時、

予め測定したい順番に、測定試料をセットして、これらのナンバリングをICP装置に入力しておくことで、

自動的に試料を試料導入部に供給する装置です

最近では、オンラインで、試料の自動希釈や、内標準物質の自動添加を行ってくれたり、

検量線作成用の溶液を添加してくれる機能を持ったものまでできています

超音波ネブライザー

超音波ネブライザーは、液体試料に超音波振動を与えることによって、

霧化させたあと、加熱や冷却させることで、溶媒から分離して、この元素を

キャリアガスであるアルゴンガスに乗っけることで、発光部分に試料を導入する装置になります

水素化物発生装置

水素化物発生装置とは、試料溶液の中のヒ素やセレン、アンチモン等の化合物を、テトラヒドロホウ酸ナトリウム等

物質を利用することで、揮発性の水素化物に還元することによって、気体と液体を分離して、

気体になった成分のみキャリアガスであるアルゴンガスに乗っけて発光部分に導入する装置になります

電気加熱気化導入装置

電気加熱気化導入装置は、少量しか無い試料溶液を高融点金属出できたヒーターに注入後、

不活性ガス雰囲気中で溶媒や一部成分を選択的に除去します

その後、残った分析したい元素を瞬時に気化させて、キャリアガスを用いて発光部分に導入する装置になります

これらがICP発光分光分析装置を構成するものになります

最後に

今回は、ICP発光分光分析装置についてお話してきました

作り自体は、複雑ではなく、今までの発光した光を検出して、強度から濃度を求めるものです

しかし、これらを正確かつ迅速に分析するために、様々な制御や、装置を用いていることを

知っていただき、少しずつ学習への力になっていたら嬉しいです

今後もインプットしてきたことや、今インプットしている内容についてアウトプットしていきます

今回もありがとうございました

次回もよろしくお願いいたします

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