機器分析化学_発光分光分析4

今回は、実際に発光分光分析の測定方法についてお話していきます

発光分光分析には、原子吸光分析と同じように資料の準備があり、

また、定性分析と定量分析とで注意点が少し違うため、

これらの違いについて、知ってもらえたら嬉しいです

発光分光分析の測定方法

発光分光分析では、多元素同時に定性・定量分析ができます

正確な測定をするために、発光分光分析では、以下の部分に注意しないといけないです

発光分光分析における注意点
  1. 試料状態
  2. 試料調製
  3. 標準試料の作製

順々にお話していきます

1.試料状態

試料のもともとの形状は固体でも液体でも気体でもいずれの状態でもいいです

固体金属試料の場合、適度な大きさに調整した棒状のものを電極として利用して、

スパーク放電等は用います

粉末の試料の場合、反応性のない黒鉛の棒に小さな穴を作って、

この穴の中に粉末試料を充填していきます

この充填した黒鉛棒を補助電極としてスパーク放電による励起を行っていきます

試料の状態が液体の場合、

回転黒鉛電極を使って分析を行います

ちなみに前回お話したICP発光分光分析装置は、溶液状態の試料を分析することが一般的で、

ネブライザーにて霧状にした試料をプラズマ炎に導入する機構になっています

2.試料調製

発光分光分析で使う試料の分量は、ごく少量でよく

数 mgほどで分析が可能です

したがって、分析するときは、分析したい試料の均一であると考えられる部分から

採取した試料でなければいけないです

測定したい試料が粉末の場合、これに標準物質等を添加したいときは、

均一に混ぜられる方法を別途考える必要があります

金属試料等の無機化合物を分析するときは、塩酸溶液にしたときが最もよく分析できます

しかし、塩酸では解けなかったり、溶け残りが発生する場合は、その他の酸を用いて

完全溶解させなければなりませんが、そのときは、標準試料にも同じだけの酸を

入れなければ、干渉の影響で、正確な数値を測れなくなります

無機化合物だけではなく、有機化合物も混合している試料の時、

この有機化合物を分解したあと、分析することをしないといけません

3.標準試料の作製

金属の試料を分析するときには、分析目的の元素で標準物を作らないといけません

粉末の試料や、液体試料のときは、目的の元素だけでなく、一緒に混合している

物質も含めて、できる限り同じ状態の溶液を作製しなければなりません

定性分析

試料の中の元素を確認するためには、検出したスペクトルをもともとのスペクトル表にある

波長とで比較する必要があります

複雑に混合してしまっている試料である場合、複数の元素から発光するため、

スペクトルもそれぞれの強度も違うスペクトル線が多数見られます

一つの元素に注目して、測定した溶液を徐々に希釈していくいことによって、

複数ある全ての元素は、段々と薄くなっていきます

すると、濃度がもともとから薄く、発光強度が弱かったものから、

装置が検出できる下限値となって、測定結果から消えていってしまいます

そして最終的には、最も強度が強く検出されていた一つの元素が測定できます

徐々に薄めていくことによって、検出限界からの逆算で、

「この元素は、何ppm以下です」のように一定値以下であることまで特定することができます

定量分析

試料の中の元素を定量するためには、測定した元素が持つ固有スペクトルの強度を

検量線試料で測定した強度と比較して測定します

発光分光分析では、光電子増倍管を用いることで、得られた結果を電気信号に変換して処理するため、

50もの多元素同時分析までおこなうことができます

定量分析は数%領域が最も検出精度がよく、1%程度の精度で分析が可能です

先程、多元素同時分析が可能であるとお話しましたが、

あまりにも複数の元素が混在している溶液では、徐々に分析精度が落ちていき、最大30%もの

精度の下落が発生する場合もあります

最後に

今回は、発光分光分析の測定についてお話していきました

発光分光分析はいずれの試料状態でも分析ができる方法ですが、

その特徴を知らなければおおきな 誤差を持ったまま数値を出してしまう分析方法でもあります

正しい数値を知れる方法等をおさえて、楽しく学べるきっかけになっていたら嬉しいです

今回もありがとうございました

次回もよろしくお願いいたします

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