今回は、ICP−MS分析における、定量・定性分析についてお話していきます
- ICP−MS分析での定性分析について知ることができる
- ICP−MS分析での定量分析について知ることができる
- 分析した結果の正しい判断方法について知ることができる
以上の内容をお話していきます
ICP−MS分析は、短時間で全元素を走査分析できるので、
分析したい試料に対するスペクトルの値から、分析したい試料に含まれる元素を
定性分析することができます
この定性分析をしたときのスペクトルの発光強度から、
分析対象の元素の濃度を推定することもできます
定性や同定分析は、質量スペクトル解析、質量演算方式による解析等を行うことによって、
分析することができます
定量分析をするときには、分析したい試料以外に、
測定したい元素の検量線資料が必要になります
この検量線には、検量線法、内標準法、標準添加法を用いて作製します
また、別の方法で、同位体希釈法という方法があります
同位体希釈法は、自然に存在しているものとは異なる同位体組成を持っている、
濃縮同位体と呼ばれるものを、分析したい元素が入った試料に添加して、
同位体平衡状態にしたあと、測定したい元素の同位体組成変化量から、
分析した試料の濃度を測定する方法です
この同位体希釈法で分析できる試料は、
2つ以上の同位体を持っている元素を分析するときのみ使用できる分析方法です
その他の同位体を持っていない試料は、検量線法や内標準法、標準添加法をつかって 分析します
このICP−MS分析は、極微量の定量分析をする方法になります
このICP−MS分析から得られた測定値の信頼性を得るために、
検量線の作製やブランクの測定や定期的な、分析装置のメンテナンスや
装置の性能を確認する必要があります
検量線は、測定したい物質元素に合わせて、作製する検量線の種類を選択する必要があります
ブランクを測定するときは、測定したい試料の測定元素以外のものをできるだけ近い値にする必要があります
数値を合わせることによって、干渉等の影響による数値のズレを最小化することができます
測定データの解析をする時、全く同じ試料を3回以上分析して、
ブランクの値を差し引いたあと、測定した試料中の分析したい元素の
分析回数の平均濃度や変動係数を算出します
最終的な分析結果は、溶液試料に対して、体積に対する質量比か、
質量に対する質量比として示されます
固体試料であるときは、質量に対する質量比で適切な単位で濃度を決定します
ここで、得られた数値が、最終的な測定結果となります
今回は、ICP−MS分析での定量・定性分析についてお話していきました
定性分析は、ICP−MS分析装置に予め記録されているスペクトル情報と
照らし合わせることによって、定性分析は、比較的簡単に分析ができます
しかし、定量分析は、数か所自分で選択して分析結果に反映されてしまうポイントがあります
そのことを少しでも知っていただけていたら嬉しいです
今回もありがとうございました
次回もよろしくお願いいたします