電気化学について_電解について_電解めっきを中心に4

前回まで、めっきに必要な電位について説明しました

まだ、電位等について全くわからない方は、過去の記事をご確認いただけると

すごくありがたいです

今回の内容について

今までは、電位を用いて、反応状態を予測する方法について説明していきました

今回から、めっき反応そのものについてお話していきます

最後まで読んでいただくことで、めっきがどのように形成されていくのかがわかるようになります

少しマニアックな部分になるので、簡単に示していこうと思います

電極と溶液の関係性_位置関係

めっき反応は電子を供給する電極でおきます

この電極表面の、めっき反応に使われる溶液がある範囲のことを

拡散層といいます

拡散層に存在する溶液がめっき反応に使われるということです

この層内のめっき液でも、より電極に近いところがより反応しやすいです

これは、距離が近ければ近いほど少ないエネルギーで反応を進めることができるからです

拡散層は、常に一定というわけではありません

溶液の撹拌や、温度変化により、層の厚みは変動します

溶液が拡散されると、物理的に、遠くの溶液が、電極の方に動いてきます

したがって、遠くの溶液まで、反応に用いられるようになっているため、

拡散層は厚くなったということになります

また、溶液温度が上昇することによって、分子運動や、拡散速度の上昇による

溶液の動きが発生するため、こちらも拡散層が厚くなる要因となります

拡散層が熱くなるということは、めっきに使用できる金属イオンの量が増えることになるため、

限界電位に達する電流量(限界電流密度)が増大することが知られています

したがって、効率的にめっきするために、この2点を変更することはよくあります

めっき反応_電極近傍でのめっきの出来方

拡散層の金属イオンに、電極表面から電子が供給されると、はじめに吸着原子となり、電極表面を移動します

その後、結晶核を形成し、その後、決勝角にあるキンク(結晶核の端で、段差になっている部分)

に新たな吸着原子が移動してくることでステップ(結晶核の端ではあるが、比較的フラットな部分)を形成する

この反応を繰り返すことで、テラス(めっき表面)が形成されていく

この考えを、キンク・ステップモデルと言い、めっきの成膜反応の考えとなっています

このときに、上記した、拡散等がうまく電流量とあっていたとき、

順序よく反応が進み、かつ、金属イオンの欠乏が発生しないため、水素の発生など、

成膜に悪影響を及ぼす反応を抑制することができる

最後に

今回は、少し短めですが、めっきのでき方について簡単に説明していきました。

次回は、電位とめっき反応についてまとめ、これまでの総括を行おうと思います

今回もご覧いただき、ありがとうございます

次回もよろしくお願いいたします

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