今回は、前回お話した、キレート剤を用いて金属イオンを分析する方法である
キレート滴定法についてお話していきます
お話をご覧いただくことで、キレート滴定法について理解していただけると思います
キレート滴定法とは、キレート剤を金属イオンの存在する溶液に滴下していくことで
錯体を形成させることで、溶液を呈色させます
この色の変化つまり色の変化によって溶液中の金属イオンを定量する方法です
キレート滴定分析をする前に、予め金属イオンをキレート化合物等と
反応させておくことで、溶液に色をつけておく必要があります
色のついた溶液に、他のキレート剤を加えることによって、
溶液の色を変化させることによって金属イオンの定量ができます
これからは、詳しい手順について説明していきます
はじめに、定量したい金属イオン溶液に配位子を持った錯化剤を加えることで
溶液に色を付けます
ここで使用した錯化剤のことを金属指示薬と言います
金属指示薬は金属イオンと結合しているときとそうでないときに
色が違う様になる性質をもっています
次に、色のついた水溶液に別の錯化剤を加えます
加える錯化剤には錯体を生成する力が大きいことが求められます
なぜならば、溶液内で錯体を形成している金属イオンを分離させ、
他の配位子と錯体を形成させないといけないからです
加えたキレート剤と金属イオンとが錯体を形成するために、
溶液の色が変色します
反応が進んでいき、指示薬の色が見えた点を滴定の終了点とし、
滴定したキレート剤の配位数と溶存している金属イオンの配位数比を出し、
滴定したキレート剤の量を導き出したものに比率を掛け合わせることによって
定量を完了します
キレート滴定分析は、各金属が錯化剤によってどんな色に呈色し、
キレート剤を入れることで、色がどう変わるのかを調べる必要はありますが、
分析方法自体は簡単であり、比較的正確に定量できる方法であるため、
実用性の高い分析方法であります
また、金属錯体の色の濃さを吸光光度計などの機械にかけることによって、
定量する方法もあります
機器を使った分析については今後ご紹介いたします
今回もありがとうございました
次回もよろしくお願いいたします