今回は、今までお話してきた電位について、
電位状態による、電極反応の確認方法について説明していきます
今回の内容を知ることで、電気化学で用いる電位についての
反応状態について理解を深めることができると思います
電位は、
- 電極の表面積
- 電極の材質
- 溶液の濃度
- 通電している電流
- 溶液の撹拌状態
上記の5つの要素が同一であるとき、基本的には同じ電位を示します。
一般的に、溶液の濃度、電流量を変更することが多く、
撹拌状態については、一定以上は、影響が微小になる点や、
そもそも、濃度勾配を小さくする効果しかないため、溶液濃度で調整することが多いです
それぞれの条件で、電位は1つしか存在しないため、複数点データを取得し、グラフ化することで、
その条件のときに、どんな反応が起きていたのかを確認できるようにする必要があります
方法はX軸に電流を取り、Y軸に電位を取る方法を用いることが多いです
他にはX軸に電位をY軸に電流を取ることもあります
電流値は、対数グラフにし、きちんと立ち上がっていることを確認できるようにしておきます
この処理を行うことで、電位が電流に対してどのように推移しているかを確認することができるようになります
また、電流値を一定にし、溶液濃度を変更した場合は、電流値を示していた部分を溶液濃度に変更し、
通常の散布図等で示すことで、濃度変更時の電位の位相のずれ方等を確認することができいるようになります
前回登場した、平衡電位とは、それぞれの金属で固有の数値を持っていることは、ご説明したと思います
この平衡電位あたりから、グラフは立ち上がっていきます。これは、平衡電位以上の過電圧が与えられたことにより
電極表面でめっき反応が開始されたことを示しています
電流値を大きくしていくに連れ、急激に電位は上昇していきます
このとき、電極表面でのめっき反応は、電流値が律速になっています
つまり、電流の値に対して濃度や、その他要因には、余力が残っている状態と言えます
その後、電流値を大きくしていくに連れ、グラフは寝始めます
この寝始めて点では、電流密度律速状態から、濃度等の律速状態になり始めたことを示しています
この段階になってくると、めっき反応は、安定的に行えなくなってくるため、
きれいな板もしくは表面としてのめっきではなく、部分的に崩壊し始めたようなもしくは、
電気焼けと言われるような、表面状態の明らかな異常をきたし始める点にもなってきています
その後、電流値を上げていくと、完全に横になるつまり、電位が上昇しなくなる点が出ます
この値を、限界電流密度といい、電位が上昇しなくなり、めっき反応で消費できなかった電気は、
基本的には、水の電気分解をおこし、水素や酸素を発生させる反応により消費されます
添加剤として、酸素や水素より分子化しやすいもしくは、分解しやすい物質を添加している場合は、
より少ないエネルギーで反応する反応が発生します
したがって、この点が確認できた時点で、実験は中断し、電流以外の変更点を変更し始めます
示してきたように、電位の状態を確認することで、
電極表面で起きている反応を確認することができるようになります
電流と電圧の状態がめっきには大きく関与していることを少しでもイメージしてもらえたらありがたいです
電気化学におけるめっきについて、これからは、めっき反応に焦点を移し、ご紹介していきます
電気化学的な要素も入れて説明していきますので、ご確認いてだけるとありがたいです
今回もありがとうございました
次回もよろしくおねがいします